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成人海馬で起こるニューロン新生現象の実体を、齧歯類やサルの研究から考察した総説が出版されました。成人では新しく生まれるニューロンの数が少ないにもかかわらず、多くの未熟ニューロンが見れれるのはなぜか。齧歯類やサルの研究から、成人の未熟ニューロンの由来について考察しています。

Seki T (2020) Understanding the real state of human adult hippocampal neurogenesis from studies of rodents and non-human primates. Front. Neurosci. 14:839. doi: 10.3389/fnins.2020.00839

 

大学院生 佐々木-高橋奈都さんの論文が出版されました。重積てんかん発作を起こしたマウスでは、放射状グリア様神経幹細胞の突起の極性が逆転し、アストロサイトに分化することを示唆しました。また、ピロカルピンてんかんモデルマウスで、てんかん発作誘導率を上昇させ、致死率を低下させるためには、ピロカルピンによる体温低下を防ぐことが大切であることを示しました。

Sasaki-Takahashi N, Shinohara H, Shioda S, Seki T (2020) The polarity and properties of radial glia-like neural stem cells are altered by seizures with status epilepticus: Study using an improved mouse pilocarpine model of epilepsy. Hippocampus. 30: 250-262. doi: 10.1002/hipo.23153. Epub 2019 Sep 5.

 

ヒト(成人)海馬のニューロン新生を解析した論文が出版されました。成人では、増殖性神経前駆細胞数が非常に少ないにもかかわらず、多くの未熟ニューロンマーカーを発現する細胞が見られました。この結果は、成人海馬のニューロン産生レベルが低いことを示しています。では、未熟ニューロンマーカーを発現する多数の神経細胞の存在をどのように解釈すればよいのでしょうか?この論文では、この点を議論しています

Seki T, Hori T, Miyata H, Maehara M, Namba T (2019) Analysis of proliferating neuronal progenitors and immature neurons in the human hippocampus surgically removed from control and epileptic patients.

Scientific Reports 9: 18194.  doi:10.1038/s41598-019-54684-z

難波隆志さんの論文が出版されました。生後初期の海馬歯状回門における新生ニューロン(顆粒細胞)の移動様式をTime-lapse imaging(海馬スライス培養)で解析しました。この部位の新生ニューロンは、大脳新皮質などの新生ニューロンとは異なり、細胞極性変化を伴う曲がりくねった複雑な移動様式を示すことを明らかにしました。

Namba T, Shinohara H, Seki T (2019) Non-radial tortuous migration with cell polarity alterations of newly generated granule neurons in the neonatal rat dentate gyrus.

Brain Struct Funct 224: 3247-3262. https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00429-019-01971-0

 

大学院生 松江健太さんの論文が出版されました。海馬の顆粒細胞前駆細胞の性質を胎仔期から生後/成体期まで調べ、その性質が出生直後に急激に変わることを明らかにしました。

Matsue K, Minakawa S, Kashiwagi, Toda K, Sato T, Shioda S, Seki T (2018) Dentate granule progenitor cell properties are rapidly altered soon after birth. Brain Struct Funct 223:357-369

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00429-017-1499-7

 

大学院生 上森健至さんの論文が出版されました。てんかんモデルラットを用いて、重度のけいれん発作が起こると、海馬の新生ニューロンが、血管に沿って異所性(分子層側)に移動することを明らかにしました。(論文の写真が表紙に採用されました)。

Uemori T, Toda K, Seki T (2017) Seizure severity-dependent selective vulnerability of the granule cell layer and aberrant neurogenesis in the rat hippocampus. Hippocampus 27: 1054-1068

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/hipo.22752

大学院生 山本夕香さんの論文が出版されました。海馬顆粒細胞層を形成する神経前駆細胞の分化、移動が、CXCL12/CXCR4シグナルによって調節されていることを明らかにしました。また、受容体CXCR4が、リン酸化された後、細胞内のゴルジ体・中心体・リソゾームに細胞内輸送されることを示しました。

Miura-Yamamoto Y, Shinohara H, Kashiwagi T, Sato T, Shioda S, Seki T (2017) Dynamics and function of CXCR4 in formation of the granule cell layer during hippocampal development. Scientific Reports75647.

http://www.nature.com/articles/s41598-017-05738-7

海馬の顆粒細胞の発生起源に関する論文が出版されました。顆粒細胞層が、海馬采近傍のdentate notchと呼ばれる部位に出現する、グリア線維性酸性タンパク(GFAP)発現細胞によって形成されることを明らかにしました。(論文の写真が表紙に採用されました)。

Seki T, Sato T, Toda K, Osumi N, Imura T, Shioda S (2014) A distinctive population of Gfap-expressing neural progenitors arising around the dentate notch migrate and form the granule cell layer in the developing hippocampus. J Comp Neurol 522: 261-283

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cne.23460

SPRINGERから本が出版されました。第1巻の巻頭には、成体脳ニューロン新生の発見者であるAltman博士の、発見に関する貴重な回想録が収録されています。その他、第1巻では、成体脳ニューロン新生の基礎的な研究、2巻では様々な疾患との関係に関する研究が掲載されています。